Blog2025-01-08

ヘッドレスCMS(Headless CMS)とは何か

最終更新日: 2025-01-15

最近話題のヘッドレスCMSについて、これまでの制作経験を踏まえて紹介したいと思います。

そもそもCMSとは

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは、その名の通り、ホームページのコンテンツを管理するシステムで、プログラミング等のWebの専門知識がなくても、管理画面上で書いた「お知らせ」や「ブログ記事」を簡単にホームページに公開できます。

CMSはホームページ管理者が、Web上で情報発信するのを強力にサポートしてくれます。

代表的なCMSとしては、WordPressが世界的に有名で人気です。他にもMovable Typeなど色々な選択肢があります。これらの代表的なCMSを「従来のCMS」と定義します。

従来のCMSとヘッドレスCMSの構成比較

従来のCMSでは、エンドユーザーに見せたいホームページの見た目部分(フロントエンド)と、ホームページ管理者が操作するCMSの管理画面と記事データが保存されているデータベース部分(バックエンド)が一体化しています。

一方、ヘッドレスCMSの場合は、ホームページの見た目部分とバックエンド部分を完全に分離できるといった特徴があります。

ヘッドレスCMSにすると何が嬉しいのか

構成比較によって、ホームページの見た目部分が、CMSから独立しているかどうかが大きな違いであることが分かりましたが、それによって何が嬉しいのでしょうか。

メリット1: ホームページの見た目部分を自由に開発できる。

見た目部分を独立させたことで、開発者が得意な技術や最新技術を柔軟に取り入れた「見た目部分の開発」が可能になります。

一方、従来のCMSでは、既存のバックエンド機能と両立させながら、見た目部分をカスタマイズする必要があります。(通常、見た目部分とコンテンツ部分が複雑に絡み合っています)

例えばWordPressを従来のCMSとして使う場合、細かい制御やカスタマイズを行う場合には、WordPressシステム本体を作っている特定のプログラミング言語(PHP)の理解が必要だったりします。

裏を返せば、PHPの理解があれば、ある程度なんでも自由にカスタマイズできます。が、「WordPressを使うという技術的な制約」があることで、最新技術を取り入れられない・活かせないといったことは起こり得ます。

従来のCMSではできないことがある場合に、ヘッドレスCMSが選択肢の一つになってきます。

デメリット・技術的なハードル

見た目部分を「自由に開発できる」ことにより、どのように作るか、で保守性(運用・機能改修のしやすさ・コスト)やホームページのパフォーマンスに差が生じやすいとも言えます。(開発者の腕次第)

メリット2: マルチプラットフォームに対応できる。

コンテンツ管理部分を独立させたことによって、コンテンツを複数のサイト、iosやandroidアプリなどの複数メディアに表示できます。

メリット1の「見た目部分を自由に開発できる」にもつながりますが、見た目部分をホームページではなく、iosやandroidアプリに置き換えることができます。(※ iosやandroidアプリの開発は別途必要です。)

コンテンツをヘッドレスCMS 1ヶ所にまとめて管理できるのがメリットです。

メリット3: セキュリティリスクを下げられる。

見た目部分と、コンテンツ管理部分が一体化している従来のCMSの場合、下記のようなデメリットがあります。

一方、ヘッドレスCMSの場合、ホームページの作り方にもよりますが、コンテンツ管理部分を外部から隠せる(特定できる情報を与えない)ため、セキュリティリスクを下げることができます。

また、有料のヘッドレスCMSを利用すると、ヘッドレスCMSの提供元がセキュリティリスクを引き受けてくれるのが一般的です。定期的なセキュリティ対応等は提供元が行ってくれるため、ホームページの管理者は、サイト運用や情報発信に集中できます。

メリット4: 管理するコンテンツ項目を柔軟に設定できる。

例えば、WordPressの標準機能だと、ブログ記事は、タイトル、本文、公開日時など入力できる項目が決まっています。WordPressでも、直接カスタマイズしたりプラグインを上手に利用することで、入力項目を増やしたり、多種多様な情報を扱うように改修することはできますが、CMSの内部の理解が必要です。(一見、便利なプラグインもセキュリティリスクになり得るので注意が必要です)

一方、ヘッドレスCMSでは、管理画面上で、操作としては簡単に「入力項目」や「管理する情報の種類」を追加できるのがメリットだと思います。(※どのような項目を追加すべきか、どんな情報の単位に分けるべきかといった、データの構造化に関する知識は別途必要です)

デメリット

ヘッドレスCMSベンダーの料金プランによって、作れるAPI(情報の単位、例えばブログ、ブログ執筆者、カテゴリー等)数に上限があるため、サイトの内容によって適切な利用プランの選択が必要です。

結論: 従来のCMSとヘッドレスCMSのどちらにした方が良いのか

ヘッドレスと従来のCMSは、一長一短、トレードオフだったりするので、ご要望や優先順位これまでのホームページ運用ご経験等によって最適解は変わると考えています。

総合的に判断して、WordPressなどの従来のCMSが適している場合、ヘッドレスCMSが適している場合のどちらもありえます。

例えば、下記のような様々なご要望や心配事があると思うので、丁寧にヒアリングの上、個別最適な提案をさせて頂ければと考えております。

まずは、お問い合わせフォームからご相談ください。

参考記事

有料のヘッドレスCMSを提供している会社がそれぞれ、「ヘッドレスCMS」について記事を書いているので、こちらもご一読してみてください。複数の視点からヘッドレスCMSについて理解が深められると思います。